2021.01.18

最近取り組んでいること 植上一希(教育・臨床心理専攻)

私の研究テーマは専門学校における教育とキャリア形成です。

専門学校は全国に約2800校あり、高校を卒業した人のほぼ6人に1人が専門学校に入学しています。加えて、社会人や外国人留学生も多く入学していて、現在、約60万人の学生が専門学校で学んでいます。日本の高等教育段階における中心的職業教育機関と言える専門学校ですが、その実態や意義についての検討は不十分であり、ともすれば、事実に基づかない専門学校イメージが広がっているという問題があります。それらの克服のために、専門学校関係者に対するインタビュー調査・アンケート調査など様々な調査を実施して、専門学校の実態や意義の解明を進めています。

近年、私が取り組んでいるのは、①「専門学校教員のキャリア形成に関する研究」、②「専門学校教育における非認知能力の育成とその評価に関する研究」です。

①では、専門学校教育を担う専門学校教員について検討するための基礎的な作業として、専門学校教員がどのようなキャリア形成を行っているのか、という実態解明を進めています。

②では、専門学校教育で実施される職業教育においては、職業に必要な専門的な知識・技能はもちろんのこと、それ以外の能力の育成や学習意欲の回復などがみられることがわかってきました。それらについて、非認知能力という観点から、その実態を把握するとともに、教育現場において適切に評価するための方法等についての研究を進めています。

上記の調査は、大学院生や学部生、若い研究者とともに行っていますが、専門学校調査をすることで、研究する側の教育観やキャリア観が鍛えられることも強く実感しています。関心がある方は、ぜひ加わってください。