2020.12.27

最近取り組んでいること 伊藤亜希子(教育・臨床心理専攻)

私は異文化間教育、比較教育学を専門としています。もう少し具体的に言うと、多文化社会において外国人/移民と受け入れ社会の人々がどのように共に生きていくことができるのか、そのために何が必要なのか、教育の視点から研究をしています。主に、ドイツと日本をフィールドに研究や実践を行っています。日本においても、近年、外国につながる子どもたちが増加し、かれらに対する教育は非常に重要なものとなっています。そうした子どもたちのもたらす多様性を活かした教育を実現することのできる教員養成・研修は喫緊の課題です。このような多様性を志向した教師教育について、すでに移民の子どもたちの多様性に向き合ってきたドイツの取り組みを政策的、理論的、実践的に把握しようとする研究に最近は取り組んでいます。これは本専攻の佐藤先生とも共同研究で進めている研究の一部になります。

こうした研究を進めると同時に、福岡に暮らしている外国人住民や外国につながる家族の子育てや学びを支える活動も行っています。具体的には、福岡における多文化共生を目指すNPOの中心メンバーとして、外国につながる子どもたちの進路支援、こうした課題に関心を持つ人々を対象とした勉強会の開催を行っています。また、地域日本語教室の運営のお手伝いも行っています。コロナ禍で外国につながる子どもたち、家族の教育課題が如実に出てきたところもあります。地域日本語教室の課題もそうです。できないことを挙げるのではなく、その状況に応じてできることを考え、コロナ禍においてもオンラインで可能な活動を行っています。

多文化共生や移民、外国人児童生徒等教育について関心のある方、是非一緒に研究や実践を進めていきましょう。それぞれの一歩が現実的な課題解決に向けた大きな一歩になります。