2020.07.03

学生による学会発表(英語学英米文学専攻)

英語学英米文学専攻所属の学生が日本言語学会第160回大会で学会発表(※)を行いました。
プログラムや発表予稿集等は下記の学会ホームページでご覧いただけます。
http://www.ls-japan.org/

※新型コロナウイルス感染症のため、日本言語学会第160回大会での口頭発表は中止となり、学会ホームページ上への予稿集の公開を以って本大会で発表したものと認定されることとなりました。口頭発表が中止となった代わりに、同大会の当初の日程と同日である6月20日に有志でのオンラインによる口頭発表会が開催され、その会で口頭発表を行いました。

発表のタイトルと概要は以下の通りです。

「長音と促音の知覚における隣接要素の持続時間及び音韻長の影響:発話速度の観点から」
石橋 頌仁(英語学英米文学専攻博士課程前期1年)
竹安 大(福岡大学)

【概要】
日本語の長音や促音の知覚において、隣接要素の持続時間の影響と隣接要素の音韻長の影響が存在し、この2つが共起しうることが知られている (Takeyasu & Giriko 2017)。この隣接要素の持続時間及び音韻長の影響の共起は、単語のF0パターンに関係なく、また、東京方言以外の方言においても観察されることが報告されている (石橋ほか2018)。長音や促音の知覚においては発話速度が重要な役割を果たすが、先行研究における隣接要素の持続時間や音韻長の影響に関する議論では発話速度を考慮した分析が行われてこなかった。そこで本研究では、知覚実験により発話速度を変更した際にも同様の結論が得られるのかを検証した。その結果、発話速度によらず、長音と促音の知覚における隣接要素の持続時間及び音韻長の影響が生じることが確認された。