2020.07.03

学生による学会発表(英語学英米文学専攻)

英語学英米文学専攻所属の学生が、2020年6月19日(金)に開催された日本音韻論学会2020年度春期研究発表会(オンライン開催)で学会発表を行いました。
プログラム等の詳細は下記の学会ホームページでご覧いただけます。
http://www.phsj.jp/

今回の発表のタイトルと概要は以下の通りです。

「鹿児島方言における音節の時間制御:高年層と若年層の比較」
神谷 祥之介(英語学英米文学専攻博士課程前期1年)
石橋 頌仁(英語学英米文学専攻博士課程前期1年)
竹安 大(福岡大学)

【概要】
鹿児島方言において、音節の時間制御の面に見られる世代間の違いが報告されており、若年層の発話から伝統的な鹿児島方言の特徴が失われつつあると解釈できる。しかし、音節の時間制御についての世代間差を議論した先行研究では、高年層と若年層のデータを直接的に比較しておらず、具体的にどれほどの差が世代間に存在するのかが明確でない。そこで、本研究では、音節の時間制御の面で鹿児島方言にどの程度言語変化が起こっているのかを明らかにするために、高年層と若年層の話者に対して音声産出実験を行い、促音の有無による先行及び後続母音の持続時間を計測した。実験の結果から、若年層が伝統的な鹿児島方言の特徴を失いつつあるだけでなく、高年層においても、鹿児島方言の伝統的な特徴が失われ始めていることが新たに示された。