2025.08.06

【史学専攻】古文書調査と史跡巡見で佐賀県小城市に行ってきました!

こんにちは、日本史教員の山田です。日本史専修の古文書調査実習として、7月26日(土)に佐賀県小城市と鳥栖市に行ってまいりました。

少し時間がたちましたが、そのレポートをアップします!

 

最初の目的地は、小城市にある小城市立歴史資料館です。同市には江戸時代に佐賀藩の支藩・小城藩がありましたが、そこには肥前以外に出自を持つ藩士も集まっていました。その関係もあり、資料館にはバラエティに富んだ古文書が所蔵されています。今回はその中から、九州探題渋川氏の子孫に伝来した古文書、筑後出身の武士・星野氏関係の古文書、そして小城郡にかかわる南里今村文書の調書作成と写真撮影を行いました。中世文書の本格的な調査ははじめてという博士課程前期1年の院生と学部3年生も参加しましたが、先輩たちの導きでスムーズに調書を作成できていました。現地では小城市の学芸員の田久保さんと、本学大学院史学専攻出身で佐賀県の学芸員の野下さんにご対応いただきました。田久保さん、野下さん、本当にありがとうございました!

調査を午前中いっぱいで終えた後は、昼食後、佐賀県内の寺社と城跡を巡見しました。小城市の円通寺では、鎌倉後期に運慶四代の仏師湛康が肥前千葉氏に依頼されて造像したという持国天・多聞天を拝観。躍動感と迫力に満ちた姿が印象的でした。

巡見の最後は、国史跡に指定されている勝尾城跡です。今回は勝尾城の支城であった葛籠城跡にまいりました。夏の山城は草木がおおい茂り、虫も多くてたいへんなのですが、暑さはかえってしのげます。ずいずいと入っていくと、空堀が良く残っていました。戦国時代末期に南九州の島津勢が北上する中、構築されたものでしょうか。当時の様子に思いを馳せる、貴重な機会となりました。

日本史専修では、研究者や学芸員を目指す院生のために、折をみてこういった古文書調査実習を行っています。私自身が調査とか巡見が好き、ということもありますが…。また、機会をつくってでかけたいと思います!