2025.07.25

フリードリヒ・シラー大学(イエナ)での留学生活

人文科学研究科では、複数の大学と部門間協定を結んでいます。

この協定を利用し、令和7年4月から1年間、独語学独文学専攻博士課程前期2年生の中島 萌香さんがドイツのフリードリヒ・シラー大学イエナに留学しています。

今回、留学先での生活について中島さんに伺いました。

 


 

私の研究対象は、E.T.A.ホフマンの『くるみ割り人形とねずみの王様』および、それに関連するバレエ作品群です。

この物語が持つ幻想性や音楽性を捉えるためには、文学と舞台芸術の両面から考察する必要があります。

そこで、作品が生まれたドイツ語圏の文化を直接体験し、現地の研究資料に触れることでより深い理解を得たいと考え、ドイツのフリードリヒ・シラー大学(イエナ)に留学しています。

 

留学先では主に、研究に必要なドイツ語文献の収集と読解を中心に取り組んでいます。

ドイツ語の論文や一次資料は、日本では入手困難なものもあるため、大学の図書館や国立図書館などを活用しています。

 

生活面では、ドイツ語力を高めながらヨーロッパの歴史と文化への知見を広げることに励んでいるところです。

ドイツ人のタンデム・パートナーとは、お互いの母語で会話練習をしながら交流を深め、その方に街を案内してもらうこともあります。

その交流中にも、文語と口語の違い、ニュアンスの理解、実際の会話の速度など学ぶことが多いです。

 

週末や休暇中には、周辺都市へ行き、文化施設や歴史的建造物などを見学しました。

特に印象的だったのは、ウィーンへの旅行で、ウィーン国立歌劇場を訪れることができたことです。

これは私の研究テーマに関わりのある体験であり、舞台芸術が持つ空間的・身体的な力を実感する貴重な機会となりました。

ドイツに留学できたおかげで、語学力が向上しているだけでなく、研究の視野が広がり、研究対象に向かい合うための方法論についてもさまざまな気づきを得ることができています。

引き続き、現地での資料調査や人との交流を通じて、研究をさらに深めていけるよう努めていきます。

 

授業の様子

街案内の様子

ウィーン国立歌劇場にて

活版印刷見学の様子