2024.04.02

私の最近の研究について 吉岡久美子(村上久美子):教育・臨床心理専攻

 今回は、2024年2月にInternational Journal of Mental Healthに掲載された論文「Recognition of mental disorders and beliefs about treatment and outcome in a survey of older Japanese adults」(Kumiko Yoshioka, Alyssia Rossetto)を紹介します。

 この研究は、日本の高齢者のメンタルヘルスリテラシーに関する調査を実施し、その結果から得られた知見についてまとめたものです。メンタルヘルスリテラシーとは、メンタルヘルスに関する知識、理解、態度の総称のことで、豪州のAnthony Jorm博士が提案したものです。Anthony Jorm氏らとの「精神保健の知識と理解に関する日豪比較共同研究」に端を発し研究を進め、日本においては日本初の全国規模の面接調査を実施し、国際比較研究を進めながら、日本人のメンタルヘルスリテラシーの特徴の解明と検討を進めてきました。

 今回の研究からは、高齢者のメンタルヘルスリテラシーを高める重要な要素として、早期でかつ高齢者にとって助けとなる援助要請、public healthの発信の拡充が極めて重要であることが示唆されました。

文献:https://doi.org/10.1080/00207411.2024.2320447